おそらく2020年一番の話題作、「TENET テネット」が9月18日に公開されましたね。
あなたはもうご覧になりましたか?
池袋にあるグランドシネマサンシャインでは、全国で2箇所しかないIMAXレーザー/GTテクノロジーで観られるとあって、9月18日(金)0:00の「最速上映回」は、開始10分でほぼ完売しました。
筆者は、グランドシネマサンシャインで9月19日(土)にIMAXレーザー/GTテクノロジー環境で視聴してきました。
筆者はノーラン監督の長編作品はすべて視聴していて、特に「ダークナイト」が大のお気に入り。
そんな筆者が、この記事ではTENETをこれから視聴する皆さんに、【ネタバレなし】で作品のレビューや事前に知っておいたほうがいいことをお伝えします。
▼過去のクリストファー・ノーラン監督作品をおさらいしたい人は、これらの記事もご覧ください
IMAXレーザーでまさかのトラブル
筆者が観たのは、グランドシネマサンシャイン9月19日の11:35〜の回。
公開後初の土曜日とあって、この回のチケットのネット購入は、発売時点から争奪戦でした。
そしていざ当日、映画が始まってワーナーのロゴが出始めた途端、まさかの機材トラブルが発生。
スクリーンの右側3分の1程度しか映らないまま、映画が進行してしまったのです。

初めは「ノーラン監督の斬新な演出か?」とも思ったのですが、さすがにセリフの字幕も読めない状況が続くと、他の観客もざわざわし始めてきます。
やがて数人が状況を係員に伝えに、劇場を飛び出して行きました。
でも映画はその後も進行。やがて上の写真の状態で止まって、劇場が点灯しました。
この間、およそ10分間ありました。
「まさかこのまま最後まで上映するのか?」と、とても不安な状態が続き、せっかくIMAXで観られるという高揚感もすっかり萎えてしまいました。
11:35の上映回でしたが、数分のテスト上映を挟んで、正常な状態で上映が再開されたのは12:00。
上映終了したのは14:40頃でした。
トラブルのおかげで、3時間以上席に止まることになってしまいました。長い。
ただ、上映終了後にお詫びとして無料鑑賞券をもらえました(▼のとおり)。

当日の空きさえあればもう一度TENETを観られるそうで、ラッキーでした。
こんな経験は生まれて初めてだったので、結果的にはある意味貴重な体験をしたと思っています。笑
TENET テネット 作品レビュー【ネタバレなし予習】

気を取り直して映画レビューに移ります。
劇場パンフレットによると、今作は「スパイ映画」に「時間の概念をプラス」したもの。
「人類の危機を止める」という大きなストーリーがありつつ、そこに「時間逆行」というギミックが組み込まれている作りです。
ストーリーは非常にテンポよく進んでいくので飽きません。
でもその一方で、舞台や状況が目まぐるしく変わるため、字幕をしっかり追っていないと「あれ?どうしてこうなった?」と置いてけぼりにされてしまうかもしれません。
確かに多くの疑問は残る

また、鑑賞後もさまざまな疑問が残りました。
それは謎解きというよりは、登場人物の行動原理に関するものです。
- 「逆行したら元の世界に戻れなくなるかもしれないのに、躊躇しないのはなぜ?」
- 「なぜ悪者はあんなことをしたの?」
- 「最後の主人公のあの発言はなぜ?」
といったさまざまな疑問が湧いてきました。
これらは何度も鑑賞して、各キャラクターの内面を理解することができれば、解決する部分もあるでしょう。
でも、初見だと全てを理解することはまずできません。多くの人が「この映画は難解だ」と語る理由は、ここにあるのかもしれません。
私たちには映画が必要
一方で、伏線張りと回収はとても良くできています。
お手本と言って良い作品だと思います。
伏線が回収される直前になるまで気付かず、そのシーンに直面したらすぐに理解できるものばかり。
例えばこのようなものです。
- あのとき戦っていたのは〇〇だった!
- ある女性が水に飛び込むシーン
- キーホルダーが示唆すること
また、戦闘シーンや車に乗りこむシーンなどでは、実際には逆向きに演技しているテープを逆再生していると思しき箇所が多数あります。
しかも恐らく逆再生、正再生が目まぐるしく移り変わっていて、それらが違和感なく編集されています。
キャストやスタッフたちの苦労が伺え、「本当にすごいものを作ってやろう」という意気込みがとてもよく見られる作品でした。
劇場パンフレットのノーラン監督の言葉にもありましたが、「私たちには映画が必要」ということを改めて感じさせてくれるような、そんな映画でした。
事前に知っておいた方が良い小ネタ3つ
TENETの語源
以下のウィキペディアの記事は、鑑賞前に観ておいたほうが良いと思います。
TENETのアイデアにも影響を与えている、ラテン語の古い回文のことです。

“TENET”という言葉の意味はさておき、「SATOR」「AREPO」「OPERA」「ROTAS」といったキーワードは心の隅に留めておきましょう。
また、これが「回文」であることは、物語の構造にも関係しています。
主人公「名もなき男」役は、あの名優の子息

「名もなき男」を演じるジョン・デイビッド・ワシントンは、デンゼル・ワシントンの息子で、元アメフト選手。
2015年から俳優活動をしています。
スポーツ選手の経歴を生かして、全力疾走するシーンや、アクロバティックな戦闘シーンが豊富にあります。
これまでのノーラン監督作品で、黒人俳優が主演するのは初。
今作の主人公は、単に「アメリカ人」と呼ばれたり、合言葉を言うことで名乗るシーンを省いたりと、徹底して名前を出さないように工夫されています。
それがこのストーリーと関係している部分もあります。
マイケル・ケインが今作も登場

マイケル・ケインは、ノーラン作品の常連組の1人。
彼は「バットマン・ビギンズ」以降は毎回出演していて、今作が8作目です。
自身曰く、「ノーランのお守り」を自称しているそうです。
今作では、名もなき男にとある絵画を渡すクロズビー役を演じています。
2020年現在、御歳なんと87歳。
監督の前作「ダンケルク」(2017)では声だけの出演だったので、すっかりお爺ちゃんになってしまった姿にびっくりしました。
でも、聞き取りやすく紳士感溢れる魅惑のボイスは健在。
出演はワンシーンですが、今回も長ゼリフで耳を幸せにしてくれます。
まとめ
いかがでしたか?
今回は「ネタバレなし「TENET テネット」レビュー|IMAXレーザーで視聴」をお伝えしました。
機材トラブルでちょっと水を差される格好になったIMAX鑑賞でしたが、結果的には素晴らしい体験をすることができました。
皆さんも、できたらなるべく良い環境で視聴して観てください。
それでは^^
▼下は劇場パンフレット(900円)です。購入時も行列でした。

コメント