筆者は地元の公的支援機関で、新卒から6年間勤務していました。
そこで地方や国家公務員が使う「公務員用語」に数多く接する機会がありました。
今回の記事では、当時新卒の僕には理解して馴染むまでに時間がかかった用語を10選、ご紹介します。
なるべく触れる回数の多かったものを選んでいます。
公務員志望の方はもちろん、官公庁とお仕事をする方も参考にしてみてください。
デマケ
デマケーション。役割分担。省庁や部課の担当区分けなどに使われる。
ただ、外部の人間に対してはあまり使われない印象。自分たちの分担分けの話なので、そこは弁えているのだろう。
この案件は〇〇課とデマケしております
これは〇〇さんの方でデマケをお願いします
小職
自分のこと。特に公務員自身が、自らを謙遜していう表現。
個人の特性ではなく役職を重んじる風土を持つ業界であるため、「職」という言葉が当てられたと言われている。
このマネをして、公務員でもないのに自身に使うとちょっと恥ずかしい。
逆に公務員を相手に敬っていう表現には、「貴職」がある。
ロジ
ロジスティクス。兵站(へいたん)のこと。
式典やイベント関係の仕事を請け負うとよく聞く言葉。
後方支援をひとまとめに表現する言葉であり、含まれる範囲は広く、人によってもさまざま。
式典本番の段取りはもちろん、控え室へのお弁当セッティングやクロークの管理などまで含むこともある。
そのため誰がどこまで担当するかを、事前に打ち合わせておいた方がよい。
例えば大臣が出席する式典などでは、その導線も重要なロジの一部である
シーリング
直訳すると天井。予算の天井からきていて、意味は「概算要求水準」のこと。
予算が増大していくことを防ぐために、あらかじめ予算の枠が定められ、要求を行う各現場は、この枠に収まるように予算を設計する。
本来は財務省から中央省庁に対して用いられる言葉だが、地方の役所でも普通に使われる。
予算縮小に厳しい行政機関では、何もなくても毎年このシーリングが減らされていき、現場は予算編成に毎年頭をひねっている。
KPI
重要業績評価指標。Key Performance Indicatorの略。
かつては「実績が~」「実績を~」と言われていた場面で、最近ではやたらとこの言葉が使われるようになった。
KPIは本来、業務や商談のステップごとに設けられることが重要となるが、役所の世界ではほぼ「数値目標」と同義で用いられる。
このとき、事業進捗中のKPIは意識されないことが多い。要は「結果」しか見ていない。
また、「KPIを達成」ということで「実績」という意味でも使われる、便利な言葉である。
是々非々
良いことは良い、悪いことは悪いと判断すること。「ゼロベースで見直す」に近い表現。
対して、「是非是非」は「是非」を単に強調した言葉。
よく似ているが全く別の意味になってしまうので注意。
是々非々で議論をお願いします
是々非々の対応をしてまいります
ご放念ください
「忘れてください」という意味。
それ以上でもそれ以下の意味でもない。だが、この言葉が使われる場面では、その前に「言い間違い」や「勘違い」が発生しているということ。
そのため、この言葉を多用する人は早とちりや理解不足が多いということ。
はじめからあまり信用し過ぎないようにするのがよい。
更問(さらとい)
公務員からの質問に答えたときに、その答えに対して更に質問が行われるときの表現。
一般的には、「たびたびの質問恐れ入ります」といった表現になるだろうか。
「更問となりすみません」などと使う。
投げ込み
記者クラブにプレスリリースを投げ込むこと。
記者クラブに加盟する報道各社へ、一斉に情報を流したいときに使う手法。
リマインド
「思い出させる」の意味の英語から。
よく使われるのはメールの文中。依頼の期限を超過した場合や、時には期限前に催促を行うときによく用いられる。
リマインドまで。よろしくお願いいたします
件名:【リマインド】〇〇の件について
まとめ
いかがでしたか?
普段の生活で聞いた言葉があったかもしれません。なかなか耳にしない言葉も多いですよね。
機会があればぜひ使ってみて、あなたも「霞が関通」になってみてください。
また、聞いたことのある言葉で、疑問に思っている言葉があったらコメント欄やTwitterでお知らせください。
あなたの疑問にお答えします。それでは^^
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