あなたは、クリストファー・ノーラン監督の『ダークナイト』が2020年7月10日から、初のIMAX/4D上映として全国で公開されることを知っていますか?
『ダークナイト』は、『バットマン ビギンズ』から始まる、「ダークナイト・トリロジー』とよばれる作品群の2作目。
この作品でアカデミー賞助演男優賞を受賞した、ヒース・レジャーの狂気じみた”怪演”が語り草となっていることで有名です。
今回は、2008年に公開されたこの作品が、なぜ現在まで皆の関心を惹くのか、「ダークナイト・トリロジー」シリーズを振り返りながら解説します。
2020年7月10日からダークナイトのIMAX/4Dが全国公開!
2020年7月10日から、『ダークナイト』のIMAX/4D版が全国公開されます。
クリストファー・ノーラン監督の最新作『TENET』が2020年9月18日に全国公開されることを記念して、なんと12年越しの再上映。
本作の4D上映は、今回が初の試みです。
さらに、IMAX版の本編前には約6分間の『TENET』プロローグが上映されます。
▼全国の上映劇場はこちら
▼クリストファー・ノーラン監督の作品5選はこちら
ダークナイトが関心を惹くポイント
筆者の独断と偏見が大いに入っていますが、『ダークナイト』が現在まで皆の関心を惹くポイントを、以下に解説します。
単なる勧善懲悪ではない
ハービー・デント(トゥーフェイス)は言わずもがなですが、ヴィラン(悪役)側にも複雑な心情があり、そこが非常に魅力的でもあります。
ジョーカーも一見、純粋な悪に思えますが、そこには「快楽」という別の感情も含んでいるし、いつもどこか「退屈」そうでもあります。
ときには、泣いているように見える場面もあります。
とにかくヴィランが見る場面によって表情が変わり、魅力的に映るのです。
また、ラストのシークエンスにもある通り、本作の主役・バットマンは、「聖なる騎士」ではありません。
非合法な手段を使ってでも正義を果たそうとする「ダークナイト」であり、それは一歩間違えれば悪役と変わりありません。
ヴィラン側にも感情があり、正義の側にも悪がある。
そんな複雑な事情を抱えてドラマが進行するからこそ、重厚で見ごたえのある作品となっているのでしょう。
巧みで画期的な撮影手法
今では大作映画でよく使われるようになったIMAX撮影。
これ、劇場作品では『ダークナイト』(2008年)の一部のシーンで、世界で初めて使用されました。
それまでは実験映画などで使用されていただけ。
また、当時はIMAX対応の劇場はごく一部だったので、その恩恵をフルに受けられた人もごくわずかでした。
でもその緻密な映像は、観る者に圧倒的な差を体験させました。
冒頭シーンのビル群の空撮から緻密な映像体験が味わえて、「凄いものが始まりそう」とワクワクさせてくれます。
それがIMAX上映で観られる今回の機会は、それほど貴重なのです!
豪華俳優陣の神がかった演技合戦
本作には、神がかりと言えるほどの名優たちの演技が楽しめます。
特に取り上げられることの多い「取り調べシーン」は映画史上でも必見の出来です。
主な登場人物を以下に紹介します。
- バットマン=ブルース・ウェイン:クリスチャン・ベール
作品ごとにストイックな肉体改造を行うほどの努力家。堅実な演技に定評があります。
本作では、恋人を失ってもなお、ジョーカーを生かす選択をする複雑な役を演じます。
代表作は『マシニスト』『アメリカン・ハッスル』など。
- ジョーカー:ヒース・レジャー
『ブロークバック・マウンテン』にて妻子持ちの同性愛者という複雑な役柄を少ないセリフで演じきり、アカデミー主演男優賞にノミネート。
ただ、彼の演技の素晴らしさは、本作のジョーカーで最も語られています。
その後、オーバードーズによりヒースは亡くなり、全編出演した作品としては本作が遺作となったこともあり、現在まで強く支持されています。
- ジム・ゴードン:ゲイリー・オールドマン
長年にわたりその演技力が高く評価されている名優。
特に『裏切りのサーカス』『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』ではアカデミー賞主演男優賞にノミネート・受賞するなど、その位置を確立しました。
「ダークナイト・トリロジー」シリーズを解説
ここからは、ダークナイト3部作の解説を行います。
まだ初見の方は、まず『ダークナイト』だけでも観て、合いそうなら『バットマン ビギンズ』『ダークナイト ライジング』の順に観ていただきたいです。
バットマン ビギンズ
本作のヴィランは、スケアクロウとラーズ・アル・グール。
「ダークナイト・トリロジー」の中で、間違いなく最も地味で暗い作品と言えるでしょう。
ただ、このバットマンとラーズとの因縁が、『ダークナイト ライジング』で回収されることになるため、必見の作品。
また、ギミック満載のバットスーツや、クールでリアリティのあるバットマン像は、この作品で確立した。
ダークナイト
筆者が恐らく人生で最も見返している映画。
実のところ『バットマン ビギンズ』よりも先に観たので、この作品から観ても問題ありません。
アクション、ドラマ、演技対決、狂気、恋愛、失恋、ライバル、裏切り…等々、何でも入っているすごい作品。
冒頭のビル群から、ラストシーンの一言まで、どれも見応えのある映像の連続で、1シーン1シーンに嘆息します。
肉弾戦は正直言って地味ですが、バットモービルやバイクなどギミックが効いているシーンが多く、2時間半でも飽きずに観られます。
ダークナイト ライジング
アン・ハサウェイ演じるキャットウーマンが必要以上にセクシーですが、それだけの映画ではありません!
『アイアンマン』のトニー・スターク然り、「努力する金持ち」には、見ていて心が洗われます。
前作でいったん綺麗に終わってしまっただけに、「伏線張り」と「回収」がこの1作内で完結してしまっているのが若干残念です。
それでも1作目から続くラーズ・アル・グールとの因縁に決着をつけたり、ロビンの登場につなげたりと、ファンサービスも怠らない。
シリーズ中でも意欲的な作品だと思います。
まとめ
いかがでしたか?
『ダークナイト』は筆者が恐らく、過去最も観返している作品です。
10回以上は観ていますが、このIMAX/4D上映はぜひ観たいと思っています。
皆さんもぜひ検討してみてくださいね。
それでは^^
ちなみに、「ダークナイト・トリロジー」はU-NEXTから観ることもできます。
▼U-NEXTの視聴登録はこちらから
コメント