いま最も批評家が注目すると言われる映画監督、クリストファー・ノーランをご存知ですか?
2020年9月には、監督最新作「テネット」の公開も予定されています。
クリストファー・ノーランは、2005年から始まる『ダークナイト』シリーズで一躍有名となりました。
また彼は批評家にも絶賛されていて、第二次世界大戦を描いた2017年の『ダンケルク』では、監督賞を含むアカデミー賞8部門にノミネートされています。
今回は、年間100本の映画を観ている筆者が、クリストファー・ノーラン監督の特徴と、見逃せない監督作品5作品を紹介します。
クリストファー・ノーラン監督作品の特徴
彼が監督した作品は、現時点の最新作『ダンケルク』までに10作品。
1998年からのキャリアにしては多作です。
これらの作品に共通するトピックを紹介します。
これを知っていると、ちょっと自慢できるかもしれませんよ。
同じ俳優を何度も起用する
「ノーランファミリー」と言われるほど、同じ俳優を別の作品でも起用します。
例えばこんな人たち。
キャスト |
出演作品 |
---|---|
クリスチャン・ベール |
ダークナイトシリーズ、プレステージ |
渡辺謙 |
バットマンビギンズ、インセプション |
マイケル・ケイン |
ダークナイトシリーズ、プレステージ、インセプション、インターステラー、ダンケルク(声の出演) |
アン・ハサウェイ |
ダークナイト ライジング、インターステラー |
他にもトム・ハーディやキリアン・マーフィ、マリオン・コティヤール、ジョセフ・ゴードン=レヴィットなどが常連です。
ノーラン監督の作品を観ていると、「あの映画に出てた人だ!」と気づくことがとても多いです。
さまざまな作品を観れば、”役者通”になれるかもしれません。
IMAX撮影を劇場作品で使用したのは世界初
今では大作映画でよく使われるようになったIMAX撮影。
これ、劇場作品では『ダークナイト』(2008年)の一部のシーンで、世界で初めて使用されました。
それまでは実験映画などで使用されていただけ。
このダークナイトの撮影中に、撮影チームは1台50万ドルもするIMAXカメラを破壊してしまったそうです。
そんな犠牲のおかげで、同作では冒頭シーンのビル群の空撮から緻密な映像体験が味わえて、「凄いものが始まりそう」とワクワクさせてくれます。
CGを極力使わない”リアル志向”
Blu-rayのメイキング映像などに収録されていますが、監督はCGでは表現できないリアル志向にこだわります。
ビル爆破のシーンでは実際に無人ビルを爆破します。
『インセプション』のホテル廊下での戦闘シーンは、廊下のセットを実際に回転させることで撮影しました。
『ダークナイト ライジング』の飛行機強奪のシーンも、実際に飛行機を吊り上げて撮影したというから驚きです。
クリストファー・ノーラン監督のオススメ映画5選
メメント
ラストシーンから逆回しに再生するという、目にも新しい脚本。
物語の一部だけならまだしも、全編がこのような構成になっている映画は他に類がない。
少しずつ謎が解けていく感覚は、記憶を失った主人公レナードの感覚と近いものであるはずで、謎解きの魅力もある。
全身にタトゥーやメモをあちこちに貼る演出は、後の「記憶を失う」系の作品に多大な影響を与えたものと思われる。
この映画を商業映画としては実質1作目の作品で作り上げたのだから、監督のその後の成功も納得である。
プレステージ
『バットマン ビギンズ』からバットマンを演じるクリスチャン・ベールがここでも登場。共演はヒュー・ジャックマンにスカーレット・ヨハンソンと豪華キャスト。
19世紀末ロンドンでの、マジシャン同士の対決ストーリー。
ストーリーや謎解き自体は目を見張るほどのものではないものの、立て続けに種明かしをしていくラストには驚かされる。必見。
また、マジシャン同士の危険なマジックが徐々にエスカレートしていくところは、盛り上げ方が巧みだと思わせられる。
ダークナイト
筆者が恐らく人生で最も見返している映画。
アクション、ドラマ、演技対決、狂気、恋愛、失恋、ライバル、裏切り…等々、何でも入っているすごい作品。
冒頭のビル群から、ラストシーンの一言まで、どれも見応えのある映像。なぜだろう、レイアウト1つ取っても痺れる。
肉弾戦は地味だけれど、バットモービルやバイクなどギミックが効いているシーンが多く、飽きずに見られる。
やはりヒース・レジャーのジョーカーを上回るものは今後出ないだろう。
インセプション
『バットマン ビギンズ』でチョイ役出演していた、あの渡辺謙がこんなに出ている!
この作品では間違いなくメインキャラの一員となった。
街が折り畳まれたりホテルが回転したりする、大スケールの映像に目を引かれる。
ただ、ストーリーの細部まで理解しようとするとかなり難解。
・夢の中では時間が20倍に引き伸ばされる
・三半規管に刺激を受けると目を覚ます
など、初回の視聴では設定を理解することに終始してしまうだろう。
ラストのワンシーンで、必ずもう一度観たくなってしまう映画。
インターステラー
マシュー・マコノヒーとアン・ハサウェイのダブル主演。
舞台は環境汚染が進み、終末が迫っている近未来の地球。
他に住める惑星を探すため、NASAが極秘裏に進めていた宇宙プロジェクトが、探査に乗り出すが…。
相対性理論とか五次元宇宙とか、劇中には難解なワードが飛び出して挫けそうになるストーリー。
後にノーベル物理学賞を受賞するキップ・ソーン氏が監修していて、しっかりとした科学考証が練られているそうだが、その辺りは理解できなくても問題ない。
とにかく、「愛は時空を超える」ということに尽きるのだと感じた。
ライトに観ようと思えばそれも可能で、突き詰めれば突き詰めるほど沼にハマっていく、そんな映画。
上映時間は169分と、とにかく長い。
時間がゆっくり取れるときにご覧ください。
まとめ
いかがでしたか?
クリストファー・ノーラン監督の魅力は1作観たら伝わると思います。
ちなみに、以上に紹介した作品は現在、すべてU-NEXTで観ることができます。
『テネット』の公開に合わせて、チェックしてみてはいかがですか?
それでは^^
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