米国に商用・観光等の目的で渡航するとき、滞在期間が90日以内なら、ESTA(エスタ)を取得するのが一般的です。この場合、面倒な査証(ビザ)の取得は免除されます。アフターコロナで海外旅行の需要が増え、ESTA取得の関心も今後増えていくと予想されます。
しかし、WEB上には「ESTA申請代行サイト」というものが存在し、本来は代行サービスを利用する意思のなかった人が、高額な費用を請求される事案が発生しています。
本記事では、「ESTA申請代行サイト」を誤って利用して高額な費用を支払わないために注意したいポイントを解説します。

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ESTAとは

ESTA(エスタ)とは、Electronic System for Travel Authorizationの頭文字で、米国国土安全保障省が運営する「電子渡航認証システム」のことを指します。
米国に商用・観光等の目的で短期(90日以内)旅行をする場合、査証(ビザ)の取得は免除されていますが、米国行きの航空機や船に搭乗する前にオンラインで渡航認証を受けることが義務となっています。これには米国内において乗り継ぎするケースを含みます。
2022年5月26日以降、ESTAの申請費用は値上げされ、一人当たり21米ドル(≒3141円。2023年10月15日現在のレート)が米国政府によって課されます。
ESTA取得の留意事項

ESTA取得に当たり留意したい事項は以下の3点です。次項で詳しく解説します。
- ESTAの認証を得ていない場合や虚偽があった場合は入国拒否される
- パスポートの期限が切れた・氏名が変わった場合には再申請が必要
- 少なくとも渡米日の72時間以上前にESTAの申請をする
ESTAの認証がない場合や虚偽申告した場合は入国拒否される
ESTA申請の際には、自分で必要事項を入力します。パスポートの氏名や生年月日が1文字でも間違っていると認証されないので、入力時によく確認しましょう。また、ESTAに虚偽記載をした場合、たとえ一度認証されたとしても、現地の審査官に嘘を見破られた場合には入国拒否となります。
例えば、現地の滞在先(ホテル・友人宅など)を偽ったり、「9つの質問事項(犯罪歴・オーバーステイ歴など)」に正しく答えなかった場合には、せっかく米国に着いても入国を拒否され、日本への退去命令を受ける事態になりかねません。
パスポート期限が切れた・氏名が変わった場合には再申請が必要
ESTAの認証は、一度取得すると2年間は有効です。しかし、その間にパスポートを更新した、ESTA取得時とは氏名が変わったなどの場合には、ESTAを再申請する必要があります。
なお、ESTAには「更新」の仕組みはなく、再申請とは「新たに申請」することになります。
遅くとも渡米日の72時間以上前にESTAの申請をする
ESTAは、航空機の搭乗時点で認証を得ていることが前提となっています。また、ESTAの申請内容が正しいものであっても、申請後即座に認証されるものではありません。
米国国土安全保障省は、渡航から72時間以上前の申請を推奨しています。実際には、もっと早く認証されることがほとんどですが、時間がかかることもあり得るため、余裕を持って申請するとよいでしょう。
ESTA申請代行サイトとは
ここからは、ESTA申請代行サイトの注意喚起です。Googleで単に「ESTA」と入力して検索すると、検索第3位に日本人が運営するESTA申請代行サイトがヒットします(2023年10月15日現在)。
「申請はこちら」とタイトル表示されているので、この文言に惹かれてクリックしてしまう人がいるかもしれません。しかし、この「ESTA Online Center」は代表的なESTA申請代行サイトです。
詳しく読むとわかりますが、このサイト経由でESTA申請すると、税込8,690円かかります。米国国土安全保障省の公式サイトから申し込んだ場合、一人当たり21米ドル(≒3141円)の取得費用で済むため、これは正規料金の約2.8倍もの金額です。
本来は英語で申請する必要があるESTAを日本語の説明付きで申請代行してくれるということで、このサイト自体は法的には問題がないようです。しかし、この料金の大きな差が問題となっています。
実際に、消費者紛争について取り扱う独立行政法人国民生活センターのHPでも、「ESTA申請代行サイト」を利用したときのトラブル事例が掲載されています。
ESTA申請代行サイトに騙されない方法

ESTA申請代行サイトを利用したい人は利用しても構わないと思います。しかし、多くの人たちは費用を安く抑えたいと思っているはずです。そんな人たちに向け、最安となる公式サイトからESTAを申請するための手順を解説します。
米国国土安全保障省公式サイトにアクセス
まずは、米国国土安全保障省の公式サイトのURL(https://esta.cbp.dhs.gov/)を直打ちしてアクセスするのが何より確実です。英語のサイトが表示されますが、ページ右上の「Change Language」から日本語表示することもできます。

手順を確認
米国国土安全保障省のサイトは、元が英語表示であるため日本語表示しても直訳でやや違和感があり、理解しづらい部分もあります。そこで、信頼できる別のサイトで事前に申請の流れを確認しておきましょう。
お勧めは、「在日米国大使館」と「skyticket」の以下ページです。「在日米国大使館」のページは、動画やチャートでざっくりとした流れの確認ができます。「skyticket」のページは、申請の各ステップについて、スクリーンショット付きで説明があるので初めてでもわかりやすいはずです。
▼在日米国大使館のページ
▼skyticketのページ

また、各ステップの注意事項については、以下の「三井住友VISAカード」のページも参考になると思います(少し古い記事ですが)。
▼三井住友VISAカードのページ

まとめ
本記事では、ESTA申請代行サイトに騙されず、公式サイトから申請するためのコツを解説しました。
「ESTA申請代行サイト」と理解したうえで利用する方については否定しませんが、多くの方はきっと申請費用を安く抑えたいと思っているはずです。ESTAの仕組みや申請手順を正しく理解し、安心してアメリカ旅行へ出発してもらいたいと思います。
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