ゼロ金利が長期化する中、最近注目されている投資信託を始めたいと思っていませんか?
実は筆者も最近、投資信託を始めました。
筆者の場合、始めるにあたって、投資信託に関する初心者向けの本を5冊読んでみました。
今回の記事では、FP2級の資格をもつ筆者が、読んだ5冊の本のレビューをお伝えします。
結論
はじめに、今回読んだ5冊のうち筆者が個人的にオススメしたい、ためになったと思った本はこちらです。
- いちばんカンタン!投資信託超入門書(筆者:ファイナンシャルプランナー 湯之前敦 氏)
- はじめての人が投資信託で成功するたった1つの方法(筆者:セゾン投信株式会社 代表取締役社長 中野晴啓 氏)
次の項からは、これら2冊を含めた、計5冊のレビューを紹介します。
筆者が個人的にオススメしたい、ためになった順に紹介しています。
初心者向け投資信託の本5冊紹介
いちばんカンタン!投資信託超入門書
筆者 | 湯之前 敦(ファイナンシャルプランナー) |
出版社 | 高橋書店 |
出版年月 | 2017年10月 |
レビュー
まずは、図や表が豊富にあって読みやすい。
全編にわたり、開いて右ページに用語の解説、左ページにそれを詳説するイメージ図があって、意識の定着に役立つ。
銘柄の選び方や売り時も記してあるので、より実践的な内容。
ちょっと難解な用語解説は、本筋とは別にコラム形式で詳しく書いてあり、今までなんとなく使っていた言葉も理解することができた。
初心者が勘違いしがちな、以下のような点もフォローしてくれます。
- 分配金は少ないものを選ぶ
- 保有中の投資信託は、基準価額でなく純資産総額を注視
- ノーロードよりも信託報酬を重視
希望としては、リスクの部分もう少し説明して欲しかったところ。
また、分量の大半を用語の解説が占めるので、用語をある程度理解しているという人には物足りなく感じるかもしれません。
はじめての人が投資信託で成功するたった1つの方法
筆者 | 中野晴啓(セゾン投信株式会社 代表取締役社長) |
出版社 | アスコム |
出版年月 | 2017年12月 |
レビュー
「たった1つの方法」という意味深なタイトルだが、ネタバレをしてしまうとその方法とは「つみたてNISAで投資信託を買い続けましょう」ということ。
それで「正しい投資信託」とはどんなものか、ということをテーマに論を展開していくが、自社(セゾン投信)の商品を勧めたい感は強く見える。
「コストを安く」「安全資産を堅実に稼ごう」「ローリスクで」といったポイントを挙げながら、アクティブファンドしか扱っていない同社の投信ばかりを勧めるのは、ちょっとちぐはぐ感がある。
勧める銘柄はともかく、挙げているポイント自体は正論だと思うので、一度読んでみる価値はある。
また、1点心に残ったのは「65歳を投資のゴールにせず、この世を去る時まで運用を続ける」という言葉。
長期投資が肝要であることを伝えたいのだろう。これはその通りだと思った。
[図解]知識ゼロからはじめる投資信託の入門書
筆者 | 安垣 理(ライター) |
出版社 | ソシム |
出版年月 | 2018年9月 |
レビュー
各章の冒頭にマンガがあって、親しみやすく読める。
内容は用語解説がほとんどで、ごくごく基本的な内容。
これが投資信託購入の場面で、具体的な参考になることはあまりないと思われる。
また、誤字が多いのが特徴。
一度通して読んだだけでも、タイプの連続ミスなど、3カ箇所は気付いてしまった。
良かった点や、他の本に見られなかった独自性のあったところは、次の3点。
- 投資信託の種類ごとのリスクと運用期間(リターン)とを軸にした、分布図
- モーニングスターなどの評価サイトの紹介(他の書籍ではあまり見られなかった)
- 特定口座を源泉徴収あり、なしにするかの選択基準について
【最新版】本当にお金が増える投資信託は、この10本です。
筆者 | 篠田尚子(楽天証券経済研究所ファンドアナリスト) |
出版社 | SBクリエイティブ株式会社 |
出版年月 | 2019年6月 |
レビュー
楽天証券経済研究所に勤める筆者が、日本で購入できる全投資信託の中からオススメの投資信託を紹介するという内容。
「10本」と書いてあるが、その10本とは、2017年発売の前作で紹介したものだという。
それを今回も引き続き紹介し、今回新たに6本を追加している。
この時点で、ちょっとタイトル詐欺だと思う。
また、国内で買える投資信託全6,000本の中から筆者が選んだ、という触れ込みだが、実際にはそうではない。
6,000本のうち、金融機関向けや企業年金専用のもの、販売期間が限定された「単位型」、これらの計3000本ほどを排除。そこから、1,000本ほどあるインデックス型も排除。
筆者は、この残ったアクティブ型の2,000本から選んだという。
これも「6,000本から選んだ」とはちょっと言い過ぎだと思う。
ただ、この本にも以下のように良い点もある
- 投信信託の選び方は、人気かどうか、売れているかどうかは関係ない。
- 値下がりしているからといって、株のように割安というわけではない。
→そのため、お買い得という訳ではまったくない。 - 投資信託に複利は存在しない。あるのはあくまで「複利効果」であり、1年でも収益マイナスになると、運用成績は悪化する。
- ドル・コスト平均法は万能ではない。まとまった資金が入ったら、6~7割をスポット購入。残り3~4割を、もっと下がった時に投資するのがよい。
紹介されている投資信託の中には、気になるものもいくつかあった。
具体的にどんな銘柄をオススメしているか気になった人は、本書を購入してみたら良いでしょう。
図解ポケット はじめての投資信託
筆者 | 宮﨑哲也(大阪国際大学・大学院教授) |
出版社 | 秀和システム |
出版年月 | 2020年2月 |
レビュー
あくまで、用語をざっと押さえるぶんにはよいかなという代物。
本当に初歩の初歩という内容で、あまり”気づき”を得られる部分はなかった。
興味を持って読んだ部分といえば、目論見書の構成内容くらい。
「どんな銘柄を買ったらいいか」とか、「売るタイミングはどう見極めたらいいか」などには一切言及がない。
そう考えて筆者名を見てみたら、大学教授だった。どうりで実践的な内容ではない訳だ。
正直、この1冊を読んで、投信が始められるかといったらちょっと厳しいと思う。
まとめ
いかがでしたか?
筆者が実際に読んだ、初心者向けの投信信託の本をオススメ度が高い順にレビューしてみました。
参考になれば幸いです。
それでは^^
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