
引越しや転職をした時に、通勤定期券を買い替える機会があると思います。普段どのように払い戻していますか?
使用する期間が少し空くからといって、既存のJR定期券を一度払い戻して、新規に購入しようとしていませんか?
実は、JRの「区間変更」という制度を利用することで、払い戻し額が増えることがあります。
今回は、「区間変更とは?」「どういう場合に使える?」という点について、FPが詳しく解説します。
区間変更とは?どんな時に使える?
定期券の区間変更とは

定期券の区間変更は、有効な定期券の払い戻しと新たな定期券の購入を同時に行うものです(出典:モバイルSuicaよくある質問)。
「同時に行う」というのがポイントで、払い戻しと購入の手続きを2度に分けて行うと、区間変更の扱いとはなりません。
また、あくまで「新たな定期券の購入」であるため、旧定期券の払い戻し日と新定期券の利用開始日との期間が連続している必要はありません。
JR東日本では、定期券の購入を使用開始日の2週間前から行えるため、例えば、今の定期券を払い戻したうえで、2週間後から使用できる定期券の購入を同時に行うことができます。
実際どのくらい払戻し額が変わる?

それでは、普通に定期券の払い戻しをしてから新定期券を購入する場合と、区間変更をする場合で、どのくらい払い戻し額が変わるかを比較してみます。
通常の払い戻し額
通常、定期券の払い戻し時の計算式は以下です。
使用済月数分(1ヶ月に満たない日がある場合には1ヶ月に繰り上げ)の定期運賃と、手数料220円を差し引いた残額が払い戻されます(JR東日本 きっぷの払いもどし)。
なお、定期券の有効期間が1ヶ月以上残っている場合にのみ払い戻しできます。
区間変更をする場合の払い戻し額
次に、区間変更をする場合の払い戻し額の計算式は以下です。
使用した旬数×定期運賃の日割額×10と、手数料220円を差し引いた残額が払い戻されます(JR東日本 きっぷの払いもどし)。
旬数(じゅんすう)とはJR定期券特有の用語で、10日を1旬とし、1旬に満たない日の端数は1旬とします。つまり、通常の払い戻し時と区間変更時の計算の違いは、1ヶ月単位か、10日単位かの違いということです。

この違いによって、定期券発売額が高額な場合(利用区間が長い、利用期間が長い)ほど、払い戻し額に大きな差が出ます
払い戻し額が5,000円増えた

払い戻し額の違いについて、わかりやすいように実例で説明します。
私の場合、有効期間が残り3ヶ月ある定期券を区間変更してみました。
JRみどりの窓口の係の方に尋ねたところ、普通に払い戻した場合の払い戻し額は69,500円、区間変更した場合の払い戻し額は74,500円と説明されました。

上記が、窓口の方が説明してくれた払い戻し額です。左側は手数料220円を除いた金額を示しています。
つまり、払い戻しと同時に新定期券の購入を行うだけで、払い戻し額が5,000円も増える結果になります。私はこの説明を聞いて、迷わず「区間変更」のほうを選択しました。
区間変更をする際の注意点
最後に、区間変更を利用する場合に押さえておきたい注意点を3つお伝えします。
SuicaならSuica区間でないと使えない

本記事で紹介している「定期券の区間変更」は、JR東日本の場合の制度です。
PASMO→PASMOの変更でも区間変更は行えますが、Suica→PASMOの変更のときは利用できません。
例えば、使用する区間の路線がJR以外の私鉄だけだと、Suica定期券を作ることができないため、それまでSuicaを利用していた人は「区間変更」を利用することはできません。
ただし、利用区間の一部だけでもJR東日本の区間が含まれていれば、Suica定期券を作ることが可能です。
カードタイプのSuica定期券の場合、窓口でしかできない

カードタイプのSuica定期券の場合、継続購入(同じ利用区間での利用期間の更新)は、駅の多機能券売機でも行えます。ただし、区間変更については有人窓口で対応してもらうしかありません。
JR東日本では、定期券の購入を行える「みどりの窓口」の設置駅を近年減らしています。そのため、区間変更を利用できる駅が少ないのがデメリットといえます。
ちなみに、モバイルSuica定期券をお使いの場合は、定期券購入・変更・払戻画面に[区間変更]というメニューがあります。
\モバイルSuica定期券の区間変更について詳しくはこちら/
使用しない期間が2週間超ある場合は注意

Suica定期券は、使用開始日の2週間前(14日前)から購入することができます。Suicaの区間変更は、前述のとおり有効な定期券の払い戻しと新たな定期券の購入を同時に行うものです。
よって、退職などにより定期券を使用しない期間が2週間超ある場合は、かえって余計な費用が掛かってしまう可能性があります。
場合によっては、あえて区間変更をせず通常の払い戻しをして、使用するタイミングから定期券を購入したほうが割安になる可能性があります。
まとめ
いかがでしたか?今回は「JR定期券の買替え時にチェック!「区間変更」による払い戻しとは?」をお伝えしました。
定期券を利用する区間が変わると、払戻しをして購入、という流れが一般的だと思いますが、場合によっては「区間変更」を利用したほうが有利になる可能性があります。
どちらが有利になるか不明な方は、一度JRの「みどりの窓口」などに相談してみることをお勧めします。
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それでは^^

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